農家のお米直売通販 食味鑑定コンクールなど連続受賞の特別栽培米を直売しています 「九代目坂野米直売所」
      山形の美味しい
お米を生産者が
直売しています。

九代米便り

お米つくりのこと、お米づくりの出来事、そして山形のことなどをお伝えしていきたいと思います。 
【写真をクリックすると大きく表示されます】

「世界最高米TM」の原料米(平成27年産)に選ばれた九代米

昨年秋から始まった東洋ライスの「世界最高米事業」の原料玄米(平成27
年産)に九代米・コシヒカリが選ばれました。
「世界最高米事業」には、昨年11月の「第17回米・食味分析鑑定コンクー
ル:国際大会」において、5119品より選ばれた最高位の「総合部門金賞受
賞者」18品の中から、さらに6品が選ばれました。この最高品質の6品を東
洋ライスの独自技術で熟成・ブレンド、そして金芽米に精米し、うまみや栄
養成分に富んだ「世界最高米TM」として出来上がりました。
これは、TPPを控え外国産米の流入が見込まれるなか、日本の水田を守
り、お米の生産農家に元気になってもらおうとの粋な計らいと日本の米の
評価を国際的に高めようと東洋ライス様が始めた事業です。

「世界最高米TM」と名付けられた究極のプレミアム米の価格は破格の1s
で11,304円(109ドル)と2016年7月11日に「世界で最も高額なお米」として
ギネス世界記録に認定されました。

7月27日に都内での『「最も高額なお米」ギネス世界記録公式認定証授与
式』に参列させて頂きました。
1月の「世界最高米事業発表」の時と同様に今回も100人を超える報道人
に驚き、「世界最高米事業」への関心の高さの表れだと感じ、この事業に
九代米を選んでいただけたことは、今までこだわってきた美味しく安全で
安心な米作りを、認めていただけたと感じ、感動と感謝しかありません。
またTPPを控え、今後の農業の行く末を考えると不安がありますが、
これからもこだわりの米作りへの決意と大きな励みになりました。

まだまだ酷暑が続いており、早朝5時から糖蜜入りミネラルや養活酢など
の栄養剤を散布し、安全で安心な美味しいこだわりの米作りに励んでま
す。
朝晩の寒暖の差があり、今年も順調に稲が育ってます。
(2016.8.22)





総合部門で金賞受賞

今年も米・食味分析鑑定コンクール国際大会が石川県小松市で開催され
ました。
今回過去最高の5119点の応募があり、最高食味を決定する「総合部門」
において九代米コシヒカリがトップで金賞を頂くことが出来ました。
また静岡で開催の、お米日本一コンクールでも九代米コシヒカリがTOP12
に入り金賞を受賞することができました。
このような名誉ある賞をいただけましたこと、本当に有難くうれしく思って
おります。

お米作りを通して全国にうまい米を作ろうという自分と同じ思いで
米作りをしている同志が沢山出来ました。
今年は新潟の南魚沼に置賜の米作り仲間である七福会のメンバーで視
察に行き、情報交換をしながら友好を深めました。
たくさんの方々の応援とご指導をいただき、また仲間達に支えられて、こ
だわりの九代米をつくることができたこと、感謝です。

今年の分は早くも完売してしまいましたが、これからも安全で美味しいお
米作りに励んでまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
(2015.12.6)


田植えが終わりました

5月16日から始まった田植えが6月2日に終わりました。
約半月かけての作業となりました。
田植え初めは手植えで、今年も美味しく無事に収穫が出来ますようにと
願いを込めて始めました。

そして今年は無農薬、無化学肥料栽培を始めました。
さらに安全安心を高めていきます。
田植え機械に再生紙でできたロール紙を装着し、紙の上に苗を植えてい
きます。
紙の上に植えることで雑草が生えるのが抑えられます。
田植え期間中は天気に恵まれ、ほとんど雨が降らない中での作業でし
た。

我が家には樹齢100年の欅の木があります。
毎年5月になると新緑がものすごいたわわにつき、
遠くからも大きな緑に覆われたように見え、田んぼと新緑に囲まれて
茅葺屋根によく映えます。
この季節、遠くに見える朝日岳、飯豊山などの山々に残雪があります。
自然の息吹を感じるたんぼの風景は、重労働の体に涼やかな風をおくっ
てくれます。
(2015.06.07)



孫のいる正月

2015年は大寒波と大雪で迎えました。
例年の7倍の雪の量です。寒さはこれからの筈ですがもう厳しい寒さの
日々です。
今年もどうぞよろしくお願い致します。
 
年末に息子と娘が帰ってきて、久しぶりに家族みんなが揃っての、
うれしいお正月を迎えることができました。
 
母は孫の帰省がうれしく、おもちをついて、たくさんの田舎料理を準備し、
美味しい美味しいと食べるニ人の様子にニコニコと笑顔です。
 
大学1年生になった娘は、金沢で一人暮らしをしてます。
娘が母と学生生活の話をしてます。
 
二人で米沢のバスの運転手さんは、とても優しいねとの会話。
母が月一回、バスに乗り、病院に通ってるのを覚えていてくれて、
3割引の回数券を教えてくれたんだよとの話から、
娘は高校の時にボーとしていて、10円を両替しようとしてしまった時に、
混んでるのに、「勉強のし過ぎで寝てないんじゃないかい?」って、
笑って対応してくれて気持ちがほぐれたんだよ。
金沢ではね、バスが主流だから忙しいのかなあ、
運転手さんと会話を交わすことがないんだよね。
と、何気ない日常の話をしてます。
 
そして金沢での学生生活を楽しそうに話し、
娘は、「おばあちゃん、金沢に来て欲しいな」っと言うと
母は、「もう遠くまで動くのは難しいけど、話を聞いて写真や動画を見てい
るだけで、金沢旅行をしてるようだよ。」と満足気にしてます。
 
その後、娘と母は雪が降りしきる中、近所に初詣にでかけていきました。
 
二人の会話を聞いていて、今年は母を連れて金沢に行きたいと思ってま
す。
(2015.1.16)




稲刈り真っ最中

9月15日から稲刈りを開始しました。
最初はもち米から始め、9月22日からはコシヒカリに着手しました。
現在の気温は朝10度、日中が25度と寒暖の差がはっきりしていて、
美味しいお米になるのにベストな天候が続いてます。
息子が大学の合間をみて手伝いに来てくれました。
いつも忙しいときに自分の時間を削って手伝いに来てくれ、
一番頼りになります。
今日刈った田んぼはまだ稲が青いところがあり、
もう少し刈り取るまでには早かったところがあったので、
あと数日待つことにしました。
まだまだ最後まで美味しくなるためには気が抜けません。
新米は10月中旬にはご用意できる予定です。

(2014.09.23)



稲刈り準備中

9月になり、連日16度〜17度の寒い朝を迎えてます。
日中は24〜25度まで気温があがり、寒暖の差がぐっとでてきてます。
田んぼの稲も順調に育ち、稲穂にしっかりと粒が揃い、
黄金色が増しこうべが垂れてきました。

稲刈りは9月15日からもち米から始める予定です。
それまでは稲刈りに向け、機械の整備、乾燥機の掃除と準備中です。
稲刈りが始まったら、早朝から夕方暗くなるまで休みなしの作業に入ります
が、今年も美味しいお米になっていることを願ってます。
(2014.9.14)
 



冬のSAKURA

東京は2月の大雪に続き3月になっても雪が降ったとのニュースが流れてま
した。
まだまだ都会でもダウンジャケットが必要のようですね。
山形は雪に慣れた生活ですが、最近までマイナス15度を超える日々で
氷の世界にいる寒さは、さすがに堪えます。
桃の節句になっても吹雪があり屋根の雪おろしは日課となってます。
 
寒い日々ですが、朝それだけに空気が凍ったような澄み渡った景色がきれ
いです。
今日、娘の大学合格の知らせが届きました。
センター試験は失敗したととても落ち込んでいたので、
今日はそれだけに合格がうれしく、家族みんなでお祝いです。
明日は娘の誕生日、笑顔いっぱいで迎えられます。
本当におめでとう!
(2014.3.8)



コンクール受賞と試食会

今年もはやいもので師走となりました。
お陰様で今年も美味しくできあがりました。
ふっくら柔らかくほのかな甘さが食べた後に余韻を残すような上品な
仕上がりのお米になったと思います。
今年も11月に開催される米食味分析鑑定コンクールに出品し、特別優秀賞
を受賞しました。
資材と土作りにこだわり、一年間大切に育てたお米が、評価いただけるとい
うのは、有難く、来年もまた美味しいお米を作ろうという励みになります。

11月に神奈川のスズキヤさんで、試食販売を行いました。
今回は千葉県銚子の干物屋さん「阿天坊」さんとコラボで美味しいお魚とお
米を一緒に召し上がっていただければと並んでさせていただきました。
阿天坊さんの干物はそのまま置いていてもドリップ(滴)がでません。
そのため美味しさが逃げずにふっくらと甘みのある美味しい干物になりま
す。このドリップが出ないようにするのに、随分苦労されたとのことでした。

どうしたら美味しくなるかと、試行錯誤しながら取り組んでいる姿は
業界は違いますが、ものづくりに携わる者にとって、とてもうれしくお互い
共感できました。このコラボは私にとっても楽しい試みでした。

また社長さんがわざわざ試食販売会場にお越し下さり、
いろんなお話をして下さいました。
お客様に召し上がっていただき、「美味しい!」っと言っていただき、
一人でも多くの方に九代米の美味しさをお伝えさせていただけたのは、
貴重な一日となりました。

写真は中村社長(真ん中)と一緒にパチリ。
(2013.12.5)



難儀な雑草取り

5月〜6月と雨がほとんど降らず空梅雨です。
それでもありがたいことに雪解け水があるため、水不足にはなってません。
田植えが終了したあとは6月下旬から7月上旬にかけて水をたんぼにはり、
雑草取りをやります。
この雑草取りが地味ですがとても大変な作業です。
ヒエやコナギ、オモダカといった雑草は稲と同じ環境を好むので、
どんどん繁殖してしまい、稲の成長に必要な養分を吸収してしまうため、
稲の育ちが悪く実りが悪くなってしまいます。
この時期に避けては通れない大事な作業です。

除草機を押して、株間を除草していきます。
除草機は、株間に押しながら通していくとギザギザの歯車がまわり
ドロドロにして田んぼの土に雑草を混ぜ込んでいきます。
そのあと、機械でも取れなかったものはひとつひとつ手取りで
雑草を抜いていきます。
炎天下の中、田んぼの中を歩き回り腰をかがめての作業は
泥だらけになり、体力がいります。

この雑草とりが終わると、稲の根っこを張るために田んぼの
水を抜いていき、稲の生長がどんどん始まります。

いま田んぼの中では孵化したトンボがたくさん飛び立っており、
命の誕生に元気づけられます。
あともう少し、雑草取りがんばります。

(2013.6.30)

4月の大雪

今年の冬はいままでにない寒波の連続で、長く、厳しい寒さでした。
そのため、4月中旬になっても米沢は寒く最低気温が氷点下になる日が続い
てました。

家を離れて大学に通っている息子が一日手伝いに来てくれて一緒に
ビニールハウスを作り、5月中旬の田植えに向け、育苗器に入れ苗作り
作業をしてました。

そんな中、4月20日の夜から21日未明にかけて、季節外れの大雪が降りま
した。21日朝、ハウスに向かい、愕然とした現実が目の前にありました。
夜中に12cm雪が降り積もり、なんとハウスが1つぺしゃんこに潰れてしまっ
たのです。
中には1700枚の種蒔きした箱を並べてました。
「苗は大丈夫か、育てられないと米が作れなくなる」という恐怖と不安が襲い
掛かり、これをどう切り抜けるかという、いままで体験したことのない状況に、
頭の中が真っ白になってしまいました。

ハウスを新しく購入するには多額のお金がかかるので、
いまは応急処置でつぶれたハウスを修繕することで対応しようと決め、
パワーショベルと技術者と助っ人を頼み、作業をしました。
が、ハウスの傷みが激しくなかなか元通りに戻らず、一日では全く作業が進
まず、翌日も朝から作業に取り掛かりました。
早朝ホームセンターでいろいろ資材を買い揃え、なんとかいびつではある
が、みんなの協力頂き、復元することができました。

復元作業に加え、降り積もった雪が解け、ビニールの上にたくさん溜まり、
ビニールが破けそうになるくらい重く、この水を取り除くのがまた難儀でした。
ビニールハウスの種蒔きしたものは、低温で霜にあたりましたが、
なんとか大丈夫そうです。

また、この他に育苗器から苗を取出さなければいけない作業があり、
これは今日中に出さないと苗が育ちすぎてダメになるため
夜中までかかり、全部の苗を取出し、なんとか苗を無事に守ることができまし
た。


この応急処置のいびつなビニールハウスがあと1ヶ月間、田植えまでの間、
無事に耐えてくれることを祈り、今年も美味しいお米を作ろうという思いでい
ます。
(2013.4.28)


おっくんとももちゃん

雪やこんこんあられやこんこん
降っても降ってもまだ降りやまず・・♪♪

年末から雪の日が続いています。
寒さに慣れているとはいえ、
今年は例年以上の寒波でマイナス10度超えが続く日々です。

わが家の周りはすべて田んぼです。
年末は1日に60cmも積もり、その後もずっと雪が降り続いてます。
そのため、毎朝5時前にはブルドーザーの除雪車がやってきますが、
すぐに降り積もるため、8時頃にはまた雪で道路が埋もれてしまうこともあり、
一日に2回の除雪車登場の日もあります。
そして屋根の雪下ろし作業が始まります。

古民家のわが家は高い天井のため、なかなか暖まりません。
なるべく暖房のある部屋にみなで集中して過ごすこと、
そして服装は重ね着が基本スタイルですが、
家の中でスキーウエアを着ていてもいいかとさえ思えます。

わが家には2匹の猫がいます。
いつもは元気で走り回っているおっくんとモモちゃんですが、
冬の定位置はもちろん炬燵です。
私が炬燵を離れると起きてきて後をついてきます。
寒いところに移動してもついてきてくれるのですが、
でもすぐまた炬燵に戻って二匹でまあるくなってじっとしています。

それにしてもももちゃんとおっくんは、いつ起き上がるのかなあ。。

猫はこたつで丸くなる・・・♪♪


*写真にあるこたつから飛び出ている煙突は
ストーブからの温熱をこたつの中に送り込みます。
より無駄なくこたつを暖めます。
煙突の先が2つに別れ、その先にブーツを干せるようになっているのもあります。これで寒い雪の中もあったかいブーツで歩けます。
簡単な構造ですがよくできていると感心します。
(2013.1.12)

九代米が『虎ノ門市場』に。

やっとやっと昨日、稲刈りが終わりました。
いまはもみすり作業をしてます。
今年は春は寒く、また季節を通じて雨が少なく水の確保に苦労しました。
夏の暑さは秋のお彼岸を過ぎたら、がらっと寒くなり秋が深まり、
「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざがそのまま感じます。
新米は10月10日から発送を開始しました。今年もよろしくお願いします。

さて、この度テレビ東京の通販番組「虎ノ門市場SP・新米スペシャル編」で
九代米が取り上げられることになりました。
我が家にヨネスケさんと橋本志穂さんがいらっしゃいました。
仲間7人で「七福会(しちふくかい)」を結成し、お米の勉強会をしてます。
七福会は七福神さまのように、お米を食べてみんなが幸せになれればという
思いをこめて名づけました。 
この七福会でとりあげられます。稲刈りの様子やお米への思いを語ってま
す。
是非ご覧下さい。

番組:虎ノ門市場スペシャル「新米スペシャル編」
放送日 :2012年10月20日(土)
放送時間:昼12:30〜午後13:53
放送エリア:テレビ東京にて放送
 (放送圏は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、茨城県、栃木
県) 

(2012.10.15)


お盆の頃

この春から夏にかけてほとんど雨が降らない日が続いてます。
当初の冷夏予報は、いい意味で裏切られましたが、
雨が降らず毎日暑い日々が続き、田んぼへの水が行き渡らず水不足が深
刻でした。
が、お盆の13日に夜突然の雷とともに大雨が降り、14,15日もさらさらと雨が
降りました。
稲にとっては恵の雨です。雨が降った後は稲穂が見事にきれいに出揃いま
す。お盆にご先祖さまが雨のプレゼントを持ってきてくれたような気がします。

我が家では12日からお盆を迎える準備で掃除と灯篭を飾りつけし、
そして13日にお墓にお供えの団子を作り、果物や枝豆、野菜やお菓子を
すだれに盛り合わせたお供えを持って、家族で先祖を迎えにいきます。
14日は朝からお餅をつきます。
お餅はお雑煮、納豆、あんことそして山形では枝豆の甘皮を剥いて
磨り潰して甘く味付けしたずんだ餅を作ります。
つきたてのお餅は、食欲が倍増し朝からお代わり合戦になります。
お餅を1升つきましたが、お昼にはなくなってしまいました。

送り火をするときは、ネコのモモコとオッくんも一緒についてきて
ご先祖様をお見送りします。
これが毎年の光景でネコたちがかわいくてたまりません。
のどかな田園風景での送り盆です。

写真は家の一番近い山に時田山という小さな山があり、
小学生の頃は遠足に出かけ、頂上から景色を眺め、お弁当を食べました。
昔から変わらない田園風景のここからの眺めに心が癒され、
また、よしがんばろうという気持ちになります。
(2012.8.8)

萱葺き屋根の贈り物

早いものでもう七月も後半ですが、まだ山形は梅雨明け宣言がでませんが、
猛暑と大雨の甚大な被害が交錯してる天候です。
米沢は山々に囲まれた盆地なので、特に猛暑の中の田んぼ作業は
水分補給をマメにしながら、麦わら帽子をかぶり、
今は雑草とりに励んでます。除草剤を使わないので雑草が勢いよく育ち、
なかなか難儀しながらの作業です。

梅雨に入る前まで、家の萱葺き屋根の手入れが4月から続いてました。
3年がかりの萱葺き作業です。一昨年の夏から始まったのですが、
本格的に始まったのは今年からです。
この時代は萱葺き屋根の家が珍しいこともあり、
萱葺き職人も高齢化しまた出来る人が少なくなっており、
職人の方も全国を飛び回って仕事をしているとのことで、
職人を押さえるのも大変です。
我が家の萱葺きは娘の中学時代の同級生のおじいちゃんが、
孫から頼まれ、他の仕事を断ってもわが家を優先して下さいました。
明るくとてもきっぷのいい頼もしい職人さんです。

我が家の萱葺きをみて、
これは他のところと違いかなり細部まで萱をふんだんに使い
こだわった上等の作りの屋根で、いまどきこのような作りの屋根を葺けること
がしあわせだと語ってました。
白川郷の合掌作りの葺きかたとはまったく違い、細かく萱束を作り、それを整
えて葺いていくので萱も手間も他よりもかかるとのこと。

最初作った当時の萱がでてきましたが、これが全部形がそのまま綺麗に残
っている麦の穂でした。
100年位前の麦の穂ですが、そのまま綺麗に上品に麦の穂を束ねてありまし
た。今でも住み続けていれるのは、ご先祖様が当時しっかりと作って下さった
お陰だと思いました。

また萱葺きの作業をみつけて、遠く近畿大学の教授が家を訪ねて来られた
り、カメラマンの方が写真を撮らせて欲しいと来られて、あとで写真集を送っ
て下さったりしました。

我が家は古い民家でとりたててなにも特別なものがありませんが、
この萱葺き屋根がたくさんの人を呼んでくれ、いろんな話を聞かせてくれま
す。萱葺きと先祖に感謝!ありがとう。
(2012.7.20)

肥料蒔き

4月から5月にかけてはいくつもの作業が重なり休む暇が無いくらい忙しくなり
ます。
この時期は便りで伝えたいことがたくさんあるのですが、農作業におわれ、
落ち着いたら書こうと思いつつ、、、時期を逃してしまいます。

田植えまではハウスの育苗の水やりをしてから、田起こし、畦作り、
そして肥料蒔き、代掻き、それから田植えとなります。
九代米の肥料は資材が4種類あり、1種類づつ肥料を蒔いていきます。
そのため同じ田んぼに4回肥料蒔きの作業がかかります。
肥料は全て有機肥料ですが、有機の中でも特に魚カスの臭いが強く、
肥料蒔きをしていると周囲に魚の臭いがたちこめてしまいます。
また肥料は天気がよいときに蒔くと特に土への栄養の浸透がよくいきわたり
ます。

GW中に快晴のまさに絶好の肥料蒔き日和りの日がありましたが、
我が家の田んぼに囲まれたお宅で法事をされてました。
人が集まっているときに、肥料蒔きをしたらせっかくの法事が台無しになるの
ではと思い、他の田んぼでの作業を先に済ませ、法事終了後に作業をしよう
と待ってましたが、法事後もずっと人が残っているようでした。
そこでお宅に伺い、肥料蒔きをしても大丈夫かどうかと伺い、
快く許諾して頂き作業が完了しました。

後日お礼に伺いましたが、この時期はどこもそうだし、
お互い様だからと気にしないで下さいとのこと。気持ちに感謝でした。

5月も終盤に近づき、山の田んぼを残しもうすぐ田植えも終わりに近づいてま
す。朝早くから日没までの作業が続きまだまだ体が休まるときがありません
が、あと少し頑張ります。
(2012.5.27)

春の暴風雨

冬の終わりを告げる待ち遠しい4月となりましたが、
今年はなかなか手ごわい天気が続いてます。
4月3日は日本列島が大荒れで、深刻な暴風雨の被害がテレビで終日報道し
てます。
米沢もひどい暴風雨に見舞われました。
我が家もこの被害に遭いました。
自宅から離れた倉庫小屋の壁のトタンが吹き飛ばされてしまい、
夜中の1時過ぎに、暴風の中その修復に一人、釘とトンカチを持って対応し
てました。
4月とは思えない程、寒さが厳しく、例年は田んぼの雪もほとんど消えている
のですが、今年はまだ30cmの積雪があります。
そこに今日は暴風プラス雪が降り続いてます。
気温は2度で、春とは言いがたい季節です。
これで木々のつぼみが一気に収縮してしまいました。
いつもは田植え前の準備を始めているのですが、今年はまだ遅れている状
態です。

このような天候が続いていると今年一年の気候はどうなるのかと不安もあり
ます。
でも精一杯の愛情を注ぎお米を育てていく心構えはしっかりあります。
天気がよくなることを願い、本当の春の到来が待ち遠しく思います。

(2012.4.4)

京都吉兆様からのご用命

年明けから恐ろしい位の寒波が毎日続いてます。
米沢は連日氷点下10度で2月初旬はマイナス17.5度を記録しました。
これは冷凍庫の中での生活を体験しているようです。
今年になって3回雪下ろしをしました。雪下ろしをやってもやっても降り続き、
寒いところの生活は慣れてるといっても、
今年は半端ない寒さと大雪に悩まされてます。
が寒さを凌ぐほどのうれしい話もいただきました。

そのひとつは「京都吉兆様」よりご用命いただけたことです。
ここ数年、毎年エントリー続け、最終選考には残るものの、
なかなか最後の一点には選ばれなかったのですが、
今回初めて「九代米」がH23年11月から1年間採用されることになりました。
懐石料理に合う米作りを目指してやってきましたが、
ここにきてやっと実を結んだようで、非常に嬉しい反面、
この責任の重さを改めて切に感じております。

九代米のこだわりは、魚カスを主体とした有機100パーセント肥料、天然グア
ノ肥料、天然鉱物を砕いたミネラルをたっぷり含んだ肥料を使用し、
農薬は除草剤を一回だけ使用して栽培してます。
それでも取りきれなかった残草は、手取りを行っています。
殺虫剤、殺菌剤は一切使用しておりません。
その代用として、安全な純米玄米酢や、糖蜜と天然ミネラルの入った資材を
数回使用しています。
敢えて収穫量を3割程下げ、その分手間をかけて、
米そのものの美味しさにこだわりました。

また、お米の保存管理は、一年を通して15℃以下の低温倉庫と低温精米所
の中で保管しています。
お米の精米時もお米が熱くならず、風味と美味しさを損ないません。
また食べたときもお米の表面がなめらかで舌触りのいいのが特徴です。

これからも吉兆様に認めて頂けますように、
そして皆様に安心で美味しいお米をお届けできるように、
日々努力して参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
(2012.2.9)

コンクールW受賞

今年も、おかげさまで2つのコンクールで入賞することができました。
どちらも同じ日に開催されました。
一つは「米・食味分析鑑定コンクール」で特別優秀賞を頂きました。
約3000点を超える中からの受賞であり、今年で9回出品し、
9年連続の入賞となります。これは今まで誰も毎回の連続受賞はいないとの
ことですが、今年も無事に受賞できるお米ができたことにほっとしました。

二つ目は「お米日本一コンテスト」で2位の優秀賞を頂きました。
こちらはトーナメント方式の勝ち抜き戦です。
お米の専門家の方々15名と消費者代表15名の30名が審査員です。
妹が代理で出席し、どれも美味しいお米を前にして
「1回戦で終わるんじゃないのかな」と連絡をしてきた時は、
本当にそうかもなあ。とあまり期待はしていませんでした。
決勝6名に残るとは思っていなかったようで、
その中の最後の2人に残り、名前を呼ばれたとたん、喜びが湧き出てきた
と。
一年間いろいろありましたが、一生懸命大事に育てたお米が評価していただ
けて、素晴らしい賞をいただけたことが夢のようです。有難うございました。

その後九代米を販売していただいている店舗で妹と2人で試食販売を
させて頂きました。
お客様が「いつも食べてますよ。これは美味しいね」と手にとって下さり、
また店員さんも一緒になって「このお米は本当に美味しいよ。」とお客様に
親しみやすく、ユーモアたっぷりに話してくれて、自分のお米を喜んで
頂ける顔を直接見れるのがなによりうれしかったです。

お米つくりは家族やたくさんの仲間が支えてくれて、
そして店舗でも温かく商品を迎えてくださり、販売して頂き、またお客様も
喜んで下さるのが伝わり、皆さんに支えていただいて、
こうやってお米を販売していただけていることに感謝でした。

またこれからも安全で美味しい米作りに励んでまいりますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
(2011.12.21)

新米が出来ました

今年も新米ができました。
刈り入れも終わり、10月10日から新米を出荷しました。
今年はご注文がいただけないのではと心配もありましたが、
変わらずに全国各地からご注文を頂き有難うございます。
感謝でいっぱいです。
今は大量の精米作業に追われています。

お米を作るのと同時に大切なのは精米作業です。
精米はお米にこだわって数千万円する精米機械を揃えている米屋、
あぶらやさんで行ってます。
お米を傷つけず、熱を出さないように、お米同士をすり合わせて
やさしくまあるくなる味に仕上がる精米方式です。
精米方法でお米の味は変わります。

精米機械は一基で一袋づつ、梱包するので、
精米が終わるのに5時間を超えることもあります。

精米機に取れたてのお米を入れる時にいつも思うことがあります。
お米を作ることは私にとって、命を育てること。
一年間一生懸命、美味しくて安心で安全な米作りに
情熱を注ぎ込んできましたが、本当に報われます。
健康でいれるからこそ作れたお米であり、
皆さんの喜んでくださる顔を思いながら育てました。
今年のお米もとても美味しくできましたので、
どうぞよろしくお願い致します。
(2011.10.24)

ミネラル効果

昨日から秋の気配の天候となり、この夏の猛暑が一気に抜けました。
7月から雨がほとんど降らず8月10日夜少し雨が降って以来、
毎日33度超えの気温の日々でした。
そのため昨日の雨はようやくもたらされた恵みの雨でした。
連日の猛暑で水の確保もなかなか大変で、朝5時前に田んぼの水の状態を
みて、苗の育成を調整します。
稲穂は成長が早すぎるとかえって倒れ易くなるため、
注意しながら慎重に育てていきます。

まだ涼しい早朝のうちから、一気に仕事を始めます。
雑草とりと肥料蒔きの作業が夕方まで続きます。
肥料はミネラルです。ミネラルは米のうまみと食味の向上を図り、
病害虫に対する忌避効果があります。
又蒔くと稲が硬くなり、稲が倒れにくくなるためでもあります。

昨日は米作り仲間との情報交換をしました。
みな美味しいお米をつくることに真剣に取り組んでいる仲間です。
魚沼からも集まりました。
今後の農業の行く末を案じながらも、皆が食を護る大切さ、
安心で美味しいお米を作ることに情熱を傾けてます。
(2011.8.22)

たくましき雑草

最近まで晴れたり雨が降ったりの天気が続いてました。
全国的に東北を除き早い梅雨明けとなっていますが、
ここ山形は今日も天気がよく、気温は32度です。
梅雨明けと思えるような暑さの日々です。
田植えが終わった後は毎日が暑さと雑草とりの戦いが始まります。
雑草は苗と同じ高さの40cm程度になってます。
田んぼは除草剤、殺菌剤を使用していないため、
これまた雑草までも元気よく育ちすぎている感じで、
見渡す限り平面が続く田んぼを太陽がジリジリとさしてきます。
炎天下の作業は体中汗がびっしょりになり、また泥だらけになることの繰り返
しです。
今年は例年と比べて特に雑草が多く、雑草とり機械をかけた後に
とりきれなかった雑草を入念に一つづつ、抜いていきます。
腰を曲げての作業は結構堪えますが、丈夫な稲に育つようにと、
私も暑さに負けずレモン水を飲みながら頑張ってます。
(2011.7.9)

春の土台作り

GWを過ぎても米沢を囲む四方の山々には雪がはっきりと残ってますが、
里には新緑が芽吹き、あぜ道にはタンポポ,白つめ草を始めとする草花が咲
き揃いました。
4月後半になってからはあちらこちらから、のどかにトラクターの音が響き渡り
ます。一面田んぼで遮るものがないので、トラクターの姿はなくとも音は残響
のように聞こえます。

春を迎えると同時に農家は早朝から日没まで、一日中外に出ての作業が始
まります。
私も朝4時半に起床し、ビニールハウスの苗のチェックを行い、空気の入れ
替え、水やりをします。
田植え前の作業として田んぼに肥料を蒔き土作りをします。
それから田んぼのくろつけを行います。
くろつけとは水を張った田んぼの土手が崩れてしまわないように、
また草が生えないように、畦の側面を泥で補強をすることで、畦塗りともいい
ます。
くろつけはトラクターの後ろにくろ付け機械を装備し行います。
ぬかるみが酷いところは手で作業を行いますが、以前は全てが手作業だっ
た頃があり、何人も人手がないとできませんでした。
このくろつけをしっかり水がもれないように行い、それから代掻きとなります。
代掻きが始まると農家が一斉に水を使うので水の確保もなかなか大変です。
これら一連の作業を一気にやっていくので、とにかく晴れた日は時間がもっ
たいなく、日没まで出来る限り作業を行ってます。
今日から田植えが始まりました。
(2011.5.22)

消えた卒業式

この度の東日本大地震は、被災された方々を思うと本当に心が痛い。
そして福島の農家の方々を思うと、同じ農業に携わる者として、
本当に悲しみで胸がいっぱいになります。
一日でも早く安心して農業ができるようにと願ってます。

米沢は震度5強を観測しましたが、ほとんど大きな被害はありませんでした。
しかし息子が通っている高校では一部壁が落ちてしまいました。
又電車が動かなくなり、市内の全高校は休校となり学生達は、
体育館に避難されてきた580名(当初)の方々のために
朝から晩まで炊き出しなどボランティアを一生懸命してました。
息子も参加し、少しでもみんなの為になったと思うと語りました。
又、私の手伝いもよくやってくれて本当に助かりました。

娘はこの3月に中学を卒業でした。
が、この度の地震で卒業式が急遽中止になりました。
卒業式の前日に教室で卒業証書を渡されたのです。
私はそんなことになってるとは知らずにいました。
仏壇にも卒業証書はあげてありませんでした。
家に帰ってきてなんとも浮かない顔の娘で、こたつにふてて寝てました。
そのうち息子と二人でなにかずっと話してる様子だったようです。
後で明日の卒業式が中止になったと聞かされ、
3年間、学校も休まず、一生懸命がんばった学生生活を思うと、
可哀相でたまりませんでした。

学校には父兄達が集まりなんとか卒業式をやって欲しいと話し合いをし、
一日遅れの卒業式が実現しました。
卒業式は来賓の方もなく、学校の先生、在校生徒、父兄だけのこじんまりし
た卒業式です。
でも、子供達の成長過程の一つの区切りです。
被災者の方々を思うと学校で卒業式をあげられることは本当に有難いことだ
と思います。
子供達はこれからの新しい生活への不安と期待でいっぱいだろう。
大震災を乗り越えていき、みんな優しさと強い心を持ち、
大きく羽ばたき育って欲しいとの願いを込めて卒業式に参加しました。
(2011.04.03)

かわいい訪問者

3月中旬になろうとしてますが、まだまだマイナス10℃を超える日々が続い
てます。
7日には東京でも大雪が降ったと、紅白の梅に降り積もっている雪がニュー
スで流れてました。これではまだまだ春は遠いと感じてしまいました。
家の周りはまだ1メートルを超える雪に覆われてます。
道路はブルトーザーで除雪するので、雪はありませんが、
マイナスの天気では道路が凍ってしまい、転ばないようにこわごわと
おそるおそる歩いてしまいます。
田圃はもちろん雪で覆われてますが、ビニールハウスで苗を育てるところは
水を流したままにしているため、なんとそこにはどこからきたのか鴨の軍団
が水浴びをしてます。
さすがにネギは背負ってませんが、楽しそうに水面を泳いでます。
寒くないのだろうか??
また、3月下旬近くになると北に帰る渡り鳥の白鳥が田圃で羽を休めに毎年
やってきます。
これだけではありません。タヌキが小屋にひょっこり現れました。
以前怪我をしてぼろぼろになったタヌキが家に迷い込んできたときもありまし
た。そのときはなかなか近づけなかったので、食べ物を用意して置いておき
ました。
今年もタヌキが現れましたが、人の気配を感じると隠れてしまいます。

家の周辺には、かわいらしい訪問者が多いです。
極寒の中でも自然と顔のこわばりがゆるんでしまいます。
(2011.03.08)

大雪の日々

今年は正月明けから大雪となり、屋根には1メートルを超える雪が降り積もり
ました。
雪を下ろしても下ろしても連日降り続き、家がつぶれないように、
毎日が雪下ろしとの格闘です。

そんな中、1月に神戸と東京に行って来ました。
神戸に行く前には夕方に精米作業を終え、
夕方から家の屋根の雪降ろしを4時間かけて逐わしました。
作業中は大汗をかき、服は汗でびっしょりでした。終わった時は足はミリミリ
と痛く、流石に疲れ切ってしまいました。
日本全国寒波に覆われたいうことですが、マイナス8℃の米沢からいえば神
戸、東京は気温が最低で2℃程度のようでしたが、暖かく感じ、薄着でも平気
でした。
只、履き慣れない革靴を履いていたので、雪下ろし時の痛みと重なり足の痛
みはピークでした。

米沢に帰った時はマイナス8℃の気温に逆戻りで、おかげで風邪を引き、
その上、ぎっくり腰をしてしまい、治るのに1週間かかりました。
もうこれ以上の大雪は勘弁して欲しいと願ってます。
まだまだ雪に覆われた日々ですが、立春を迎え本当に暖かな春の訪れを望
みます。
写真はまだ大雪になる前の正月の朝、車からの景色です。
これが連日の大雪の始まりでした。
(2011.2.8)

年末近い初雪

 お米の収穫が済んだら、今度は寒風と雪に備えての冬支度に追われます。
11月中旬には刈った萱と板で雪囲いを作って、雪に備えてましたが、
なかなか雪の訪れが来ませんでした。
しかし毎日、とても寒い日が続き家の中はストーブが全開、
そしてコタツからはなかなか離れがたいものがあり、
ネコのモモコとオッ君にとってもすっかりコタツが定位置になってます。

今年は12月16日が初雪でした。
一段と空気がピーンと張りつめて、辺りの気温が一気に下がり、
厚手の洋服を1枚重ねての防衛です。
みぞれ混じりの雪で、
降ったらあたりの景色が瞬く間にグレーの墨絵の世界になりました。
年末近い初雪となりましたが、やっと冬の到来を感じます。
これから一気に寒さが本格的になります。
(2010.12.24)

8年連続受賞

 11月下旬に「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」があり、
おかげさまで今年も総合部門で特別優秀賞を頂きました。
8年連続の受賞となりました。
2800点を超す中からバイヤー、鑑定士、一般消費者などが審査員となり、
食味、うまみなど様々な角度から総合的・客観的評価を行い選ばれたお米に
対して贈られる賞です。
皆さんに評価して頂き本当にありがとうございます。

 私の作るお米はどちらかというと、
一般的に好まれる硬いお米の炊きあがりではなく、
ふっくらとやわらかいのが特徴です。
最初に美味しいお米を作りたいと思ったのは、
お茶を始めて懐石料理を食べたときに
お懐石で食されるような、ごはんを作りたいと思ったのが始まりです。
今でもその気持ちは変わらずに持っており、
京都吉兆の「お米コンクール」に出品し最終審査の4点まで残りましたが、
採用とはなりませんでした。
懐石で食されるにふさわしいお米作りを研究して、
これからもチャレンジしていきます。
でも、一番の喜びはお客様から美味しいお米ですね
と喜んでいただけることにつきます。
(2010.12.12)

霊芝が出た

 我が家の萱葺き屋根の手入れに夏から秋にかけて
屋根葺き職人さんが毎日みえてました。
その屋根葺きさんが「庭に珍しいのがあるよ!!」と興奮気味に話して、
見せてくれたのが「霊芝」でした。
作業小屋横にある池の近くの石の陰に二つありました。

霊芝は漢方薬としては聞いたことがありますが、
いったいどんなものなのかは見るまで検討もつかず、
9月にみた時の形状はいままで見たことのないきのこの形で、
かさが茶黒で周りがまだ白味を帯びて、一種グロテスクな色に感じました。

職人さんの話では、「霊芝はとても珍しく、幸運のしるしであり、
霊芝のある家は栄えると言われている。
息を吹きかけたり、触ったりすると駄目になるからあまり近づかないように」と
のことで、私自身も近寄らず、家族にも場所を教えてません。
職人さんは師匠から霊芝について教えてもらったのが、随分昔であり、
それから屋敷内で見たのは初めてだとのこと。

約2週間後の10月にその後どうなったかをそっと一度見てみました。
霊芝は一段とニスを塗ったように黒光りしてました。

そういえば以前も家の前の庭の樹のところにおおきな「サルノコシカケ」が出
来て、これは珍しいと思いながらも、そのままにして、採取せず冬を越えてし
まいました。
春になり見に行ったときには、もう駄目になってました。

今度の霊芝はどのタイミングで採ったらいいかを調べて、腐らせることなく採
れる様に、そして本当にいい伝えどおりに繁栄する家になって欲しいと
ひそかにゲンを担ぎたい気持ちです。
(2010.11.01)

収穫の秋に

 暑い夏が終わってあっという間に今は収穫の時期となりました。
ここ山形でもこんなに暑い夏は記憶にありません。

春になっても暖かくならず、この夏は冷夏になるのではと危惧し、
太陽が恋しくて恋しくて、日が出たときは
「あったかくなれ、元気に苗よ育て!」と念じながらいました。

そして今度は夏は今までの寒さはなんだったんだろうというほどの熱暑で
夜になっても気温が下がらず、毎日水の温度を気にしながら、
苗が丈夫に育つようにと朝から夜まで水やりを調整しながら
田圃と一緒に生活をしていた気がします。

最初にもち米を9月中旬から収穫を始めました。
そして現在はコシヒカリを収穫している真っ最中です。
私の家の田圃だけではなく、周りの農家全部が一斉に収穫の作業で
みんな家族総出で田圃に出てます。
稲は夏の薄緑色から見事に黄金色に変わり、
金色に輝く風景と刈取った稲の切り口からは
もう既にまた来年の実りに備えてるような緑色の葉っぱがでています。

この風景をみながら、ふとミレーの『晩鐘』を思い出します。
夕日の田園風景の中で農民が祈りを捧げている姿は今も同じで、
出来上がった農作物に感謝と、今年もおかげさまで元気に働くことができたこ
とは私にはかけがえのないことで、自然と感謝の祈りでいっぱいになります。

今日出来たお米を食してみました。香り豊かなお米にできたと思っておりま
す。
新米の出荷は10月20日頃を予定しておりますので、
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
(2010.10.2)

猛暑のこの時期

 日本全国猛暑日が続いてます。米沢は盆地のため、
夏が暑く、冬は寒いという米作りには最適ですが、
住むにはすこし厳しい環境であり、この連日の猛暑はさすがにこたえます。

春がとても寒かったので冷害を危惧してましたが、
この連日の猛暑で例年よりも5日早く穂が出揃いました。
田圃の水の調整は一番大切で毎日水を抜いて新しい水を入れ換えて
水温と水のはり具合を調整します。
早朝から夕方まで田圃に出て猛暑と雑草とりと格闘しています。
2010.08.09)

我が家の笹巻き

 6月もあっという間に終わりに近づき、夏が近づいてます。
米沢は毎日30度を超える暑い日が続いてますが、
本日は朝から雨がしとしとと降りもう止み樹々の緑もひときわ美しく感じられ
ます。

 この季節になるとこの地方では笹巻きを作ります。
笹巻きとは2枚の笹の葉で三角の形にして中にもち米を入れて包み、
井草で一個づつ縛り束にして1時間弱茹でて、それを黒蜜ときな粉をまぶして
食べます。
笹には殺菌効果があり昔から保存食として食べてました。
我が家では笹の調達は父と母が山に行き、2人で採ってきます。
今年はいつも行っている近くの山の笹があまり育っていなかったということ
で、離れた山の方まで行き、道路の側より採ってきた笹でした。
野生の笹の香りがほんのりと鼻の奥まで包み込み、
この季節ならではの味わいがあります。
笹もお店で簡単に買えますが、
両親が元気に仲良く2人で採って来てくれた笹で作った笹巻きは有難く、
愛情がたくさん詰まった味です。
(2010.06.27)

逃げた小太郎

 「おい、小太郎」紛れもなく小太郎だった。
昨年11月に忽然といなくなってしまったフーテンの虎猫だが、
いま自分の目の前に姿を現した。

4月下旬の暖かな日に家から1km程離れた道を車で走っていた。
すると一匹の虎猫がのんびりと歩いているのが見えた。
小太郎にそっくりだなあっと思ってよくみたら、小太郎に間違いない! 
思わず車から降りて「小太郎」って呼んだら、
猫は一瞬ぱっと止まり、こちらを振り向いたとたん、
「やべ!!」っていうような顔をして固まり、
次の瞬間にものすごい勢いで私の前から逃げて行ってしまった。
ばつの悪そうな顔をしたのが、
なんとも小太郎らしい。逃げてしまったがでもよかった!!
小太郎が生きていた。
それもまだ近くにいる。それだけでうれしい。

 GWに都会から遊びにきた妹は小太郎探しに
自転車で発見したあたりに出かけていった。
小太郎は見つけられなかったけど、いままで行ったことのない場所を散策し、
田舎の景色が美しいとしきりに言っていた。
山々と里の桜が満開で、あちこちからトラクターの田圃を耕す音がどこから
ともなく静かに響きわたり、のどかな景色は彼女の気持ちも体の疲れも
すっかりとってくれたようです。
(2010.05.14)

GWの風物

 4月も後半になったというのに、毎日寒い日が続いてます。
17日は雪が10cm積もり冬に逆戻りです。
特に農業は自然の恵である日照が大切であり、
毎日天気になってくれと祈るような気持ちで仕事に励んでます。
天気が悪くなかなか田圃の土を耕すことも思うようにはかどらず、
今年は例年より一週間以上遅れて種まきをしました。
毎年種を蒔けるということがどんなに尊いことかと更に身を引き締めて作業を
行いました。

 今日やっと上杉公園の桜が咲き始めました。
毎年4月29日から5月3日まで上杉まつりが催されます。
米沢ではこれが一番大きなお祭りです。
桜が満開の中、上杉軍の行列が街を練り歩き、戦国時代の川中島の合戦を
再現し、一大絵巻のような世界に町中が包まれます。
昨年は直江兼継を主人公にした「天地人」が大河ドラマになり、
多くの観光客が訪れました。
今年も米沢のGWの風物は上杉軍一色に染まります。
今の厳しい時代だからこそ、先人の智慧を生かしていきたいと思います。
(2010.04.27)

春の足音

 3月になると毎年北に帰る渡り鳥の白鳥がやってきます。
今年も上旬から元気にたくさんの白鳥が見えました。
多いときは100羽位舞い降ります。田圃で羽を休め、
また楽しそうにダンスを踊ってるようにも見えます。
この白鳥がくると春の足音を感じます。

12月の頃は墨絵の世界の雪景色ですが、
この頃になると田んぼに積もった雪も解け始め、
少しもやっと青みがかかったような風景に変わっていきます。
お彼岸までは寒い日と暖かい日を繰り返しながら
遠くの山から吹いてくる冷たい風が少し弱まったように感じられます。

今日は長男の中学の卒業式でした。
小さな里の学校で卒業生が80人欠けるほどしかいません。
4km離れた学校まで妹と仲良く通ってました。
小さい頃から田んぼのトラクターをどこまでも追いかけてきてたのが、
いまはよく手伝い、一番頼れる存在になりました。 
この春からは高校生。夢がいっぱいあるようで、どんな大人になるか楽しみで
す。
雪が降り寒い一日となりましたが、春の訪れはすぐそこまで近づいてます。
(2010.03.16)

フーテンの小太郎

 我が家には最近まで猫が3匹いた。
モモコとオチビのオッくんと小太郎である。
3匹ともそれぞれ我が家の一員になったいきさつが違う。
最初は黒猫のモモコとキジトラの太郎の兄妹2匹がもらわれてきた。
その後も小屋にどこからきたのか母猫が子猫4匹を連れて置いていった。
しばらくはうちにいたが、もらわれていったり、出て行ったりでその4匹はいなく
なった。
太郎が突然交通事故で亡くなり、その後捨て猫の三毛猫、オッ君を娘が拾っ
てきた。
怪我をしていて病院に連れて行き、手術もした。
少し頭がとろく、歩き方も足を引きずりながらも、いつも人の跡にくっついてく
る。

そして、その後突然にまた太郎にそっくりな小太郎がうちに居座ってしまった。
小太郎は、最初からものすごく人懐こく、
ずっと我が家にいたような気がし、太郎に似ていたので小太郎と名づけた。
小太郎は我が家に来る前は、
馴染みの豆腐屋さんの家に一週間居候していたのがわかった。
がそれからずっと我が家の一員になってしまった。
オッ君とは天敵状態であったが、最近はバトルもなくなった。

「小太郎はずうずうしんだよ」と息子に言われながらも可愛がられていた。
が突然11月の法事の日に姿を見せなくなった。
猫好きの曾おばあちゃんがあまりに可愛くて連れて行ったのかなあ・・・と思っ
たりしたが、フーテンの小太郎は、また別の家でしっかり一員になっていてくれ
ることを祈る。
でひょこり春になったら帰ってこないかなあ。
元気でいて欲しい。
(2010.02.01)

田圃に積もった雪の上を

いつもは夜は9時過ぎには眠くなってしまうのですが、
大晦日だけは「紅白」の後、「ゆく年くる年」をみて新年を迎えたら
すぐに近くの鎮守さまとお寺に初詣をします。
周辺は山々と田圃に囲まれ、住宅街でもないため外灯もなく、
ところどころにある家々の明かりと月明かりが頼りです。
いつもは車で行ってましたが、歩いて行ってみました。

今年は例年より雪も多く、極寒だったのですが、
そのため堅雪(かたゆき)になり、田圃に積もった雪の上をぬからずに、
道路のようにすいすいと歩けて近道が出来、また月が明るく照らして、
なんとも優しく自然に包まれながら鎮守様に感謝で御参りさせていただきまし
た。

また元旦の夜は山形でも満月がみれました。
東京から、「まんまるい大きな満月が見れた」との電話があり、
それがうれしかったとのこと。 
いまは変化が激しいハイスピード時代で、
自然を振り向くときがなくなっているのではと思ったりしましたが、
どこにいても同じ自然があるんですね。 
場所が違えど同じときに満月をみて喜べたことが
今年一番にささやかにうれしく思いました。
(2010.01.08)

萱葺き屋根を維持する

米沢はすっかり冬支度に入りました。
庭の植木の雪よけ、そして風除け(方言でカザライといいます)として、
杭を組み立て家が隠れるくらいの大きな塀の枠組みを作り
そこにススキを束ねていき、塀を作り雪と暴風をしのぎます。

我が家は古い民家で萱葺き屋根です。
この萱葺き屋根を維持するのも現在は萱を葺ける屋根職人が少なくなり、
維持も大変で、不便なところがたくさんありますが、
何代も先祖が育った家には、それ以上に先祖が後世に残してくれた愛情とぬ
くもりを感じます。

そして田圃も同じです。
この先祖が残してくれた田圃で今年も美味しいお米が出来、
おかげさまで全国のコンクールで受賞することが出来ました。
「全国米食味分析鑑定コンクール」は7年連続受賞となりました。
また「あなたが選ぶ日本一おいしいお米コンテスト」でも入賞することができま
した。
これからも皆さんに美味しいお米をお届けできるように、精一杯励んでまいり
ます。
(2009.12.01)

肥料に貴腐ワイン

やっと「九代米コシヒカリ」ができました。
冬からこの一年間どんな米作りをしようかと構想を立て、
もっといい肥料があるかもと探したり、
仲間と情報交換をしながらいろいろと新しいことにも取り組んでみました。

今年は田圃の肥料に貴腐ワインをいれてみました。
効果の期待としては、稲の病気の予防と害虫の忌避、
となにより食味向上を目的としたものです。

それが当たったと思います。
出来るまでは「ぜったい美味しいお米になる」と思いながらも
どんなお米になるか不安もありましたが、
香りよく、食味が高い美味しいお米に仕上がりました。
是非ご賞味ください。
(2009.10.18)

新米予約受付中

10月になりすっかり秋の景色に早代わりです。
九代米コシヒカリの田圃もすっかり黄金色に変わりいよいよ収穫を迎えてま
す。
街中には新米の看板が出始めましたね。
九代米コシヒカリの新米は10月20日以降の収穫となります。

只今新米予約受付中です。
発送は11月1日からとなりますので、是非今年もよろしくお願いいたします。
 
「九代米コシヒカリ」は米・食味鑑定士協会コンクールで
総合部門6年連続受賞とコンクールで数々入賞している、
安全で美味しいお米をつくりたいという思いが込められたこだわりのお米です。
特別栽培米です。
(2009.10.06)

河原で芋煮会

いよいよ収穫の秋。この週末から稲刈りに入りました。
澄み渡った青空の下で、黄金の稲穂がまぶしく広がっています。
まず最初はもち米から稲刈りを始めてます。
日が昇るのと同時に始まり、日が沈むまでの作業になります。

山形はこの季節になると河原で芋煮会が始まります。
芋煮は、里芋、牛肉、ねぎ、シラタキと地元で採れる食材を
醤油・お酒・砂糖・水で味付けをする単純なものですが、これがとてもうまい!
野外でみんなで囲んで食べるのはさらに絶品です。 
お酒のつまみにも合い、もちろんご飯のおかずでは食が進みます。
(2009.09.22)

ぎりぎりの天候

今年の夏は例年より寒く天候不順でしたので、
皆様から「お米は大丈夫ですか?育ってますか?」とご心配の言葉を頂きまし
た。
ご心配頂きましてありがとうございます。
この夏は暑くもなく寒くもない微妙な、ぎりぎりの天候の気温を保っており、
美味しいワイン作りに通じるものがあります。
これはむしろ喜ばしいことだと思ってます。
そして後半の収穫の時までに天候がよくなっていけば、
甘味のある食味値の高いお米になると思ってます。
稲穂も少しづつ色づき始めてます。
(2009.09.02)

暑さと雑草との戦い

米作りも後半戦に入りました。
毎日暑さと雑草との戦いが続いてます。
おいしいお米を収穫できるよう、毎日早朝から田圃に出てます。
朝の空気はとてもおいしいですよ。
(2009.08.01)

あとの楽しみ

現在の農作業は水田の雑草取りで、とても体力をつかいます。
仕事が終わってからの、冷たい白ワインがとても楽しみです。
(2009.06.30)

6年連続受賞

おかげさまで本年度も「全国米・食味分析鑑定コンクール・国際大会」の
総合部門で 「特別優秀賞」を受賞しました。
このお米コンクールは最大規模のものであり、
今回は2600点を超すお米の中から、バイヤー、鑑定士、一般消費者などが
審査員となり、食味、うまみなど様々な角度から総合的・客観的評価を行い
選ばれたお米に対して贈られる賞です。
総合部門での受賞は特に評価の高さを表します。
(2008.11)


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